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新入社員はなぜすぐ辞めるのか?理由の隠れ1位は「家が金持ちだから」

   「週刊現代」には入社したのにすぐ辞めてしまう新入社員たちの「ホンネ」が載っていて興味深い。専門商社に入ったC君25歳は「社長、俺はバスケがしたいんです」といって辞めてしまった。名古屋へ配属されると、これまで仲間とやってきたバスケができなくなる、仲間を裏切ることはできないというのが理由だ。

   今の新入社員が辞める理由の隠れ1位は「家が金持ちだから」というものだと、大手食品メーカーの人事担当者が語っている。メガバンクに入社したA君23歳は「俺は東大卒だ。札を数えるためにこの会社に入ったわけじゃない」といって辞めた。

   父母たちが大学の就職説明会で熱心に耳を傾け、退職願を親が会社に持ってくるケースは珍しくなくなってきているという。神戸女子学院大学の内田樹名誉教授はこう語る。

「今の若者たちは、そもそも働くということがどういうことかわかっていない。学校で競争の仕方は教わっていますが、協働のしかたは学習していないからです。彼らは自己努力が自分だけの功績にならず、ろくに働いてもいない人を含む他の社員と分割されなければならないことに納得がいかない。自己努力が100%自分だけに戻ってくる仕事がしたい。そう思って離職していくのでしょう」

   そうして辞めていった若者たちの5年後、10年後を追跡取材してレポートしてもらいたいと思う。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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