作家の先輩に驚かれたことがある。「えっ、まだそれってあるんだ」。言われた私の方が驚いたそれとは、女子会のことである。おととしぐらいからメディアでたびたび取り上げられ、居酒屋業界やホテル、レジャー業界で女子会パックが急増し、大人女子という言葉とともに、女子会はもてはやされた。
たしかに男性にしてみると、女子会はブーム的なものに思えたのかもしれない。当事者たちにしても、いまさら「女子会します」というのは、ちょっとひと昔前の言葉を使っているようで恥ずかしい気持ちになる。どうしてだろう。あ、そういえば合コンって言葉もあまり聞かなくなった。周りでも合コンに行く、行ってきたという話をパタリと聞かない。それこそ、合コンは長いスパンのブームだったのかしら。
夜のレストランは女同士の客でいっぱいだけどなあ…
さて、話を女子会に戻そう。これは断言できるが、永遠になくならない。夜7時、8時にレストランに行ってみると、女性客ばかりなのはどなたも御存知のはず。2~3人組かそれ以上の人数で女性同士でワイワイしゃべりながら皿を突っついている。デートと思われる客はチラホラ3組程度。まして合コンをしているグループは見かけない。
週末の夜ともなると、同じ店で1晩に3回は行われるのが誕生日会で、突然BGMが途切れたかと思うと、大音量で流れてくるのはスティーヴィー・ワンダーかドリカムのお馴染みのあの曲だ。必然的に見知らぬ客に拍手を送らなくてはならない。そしてケーキが置かれた席からは、「××ちゃん、お誕生日おめでと~」と女性達のキャッキャした声がわき起こる。
女同士で仲良く食事会というのが女子会の基本スタイルで、レストランなどに女子会プランがあまりないのは、プランなど作らなくても来る客の8割が女子会だからだろう。女性達が連れだって外食するのを控えたら、日本の外食産業はガタ落ちするかもしれないなと、誕生日会を開いている彼女達を見ながらいつも思う。ということで、女子会と名づけなくとも、永遠に女子会は不滅なのだ。