成田山新勝寺の門前町・成田は、かつては米屋と柳家が競うようかんの町だが、もうひとつ、うなぎの町でもある。そのうなぎがシラスの減少で、今年(2012年)は7月27日だが、「土用の丑の日」が大ピンチ!成田はこれを逆手にとって、例年以上に盛大な「うなぎ祭り」をやっているのだが…。
「ブタバラ肉のタレ焼き」予想の10倍の売れ行きでただいま品切れ
リポーターの奥平邦彦が創業明治43年の老舗「川豊」を訪れた。売りはむろん国産うなぎだが、上うな重が2800円と昨年より400円の値上げ。奥平は「ふわふわ、幸せ」なんていいながらパクついていたが、店の台所は大変なことになっていた。
シラスは3年連続の不漁で価格が高騰。3年前は1キロあたり約38万円だったものが、いまや5倍以上の約215万円にもなった。しかし、末端はそのまま5倍というわけにはいかない。吉野家、すき家のうな丼も去年より100円、コンビニ各社のうなぎ弁当も100円から400円アップで、スーパーはハーフサイズやスライスしたもので値段を散らす。あるいは、名古屋名物「ひつまぶし」を勧めている。うなぎを刻んで炊き込みごはんにまぶすから、1尾で家族全員が楽しめるというわけだ。
デパートは「丑の日」は「ウシ」だとばかりに牛肉の勧め。かと思うと、伊藤ハムではブタのバラ肉をうなぎのタレで焼いて、「豚バラ蒲焼き」。「味に関しては遜色ない」というだけあって、5月からの販売で予想の10倍もの売れ行きだで、いま品切れ状態だという。まあ、人間はいろんなことを考える。
アフリカ・マダガスカルからも輸入!国産ものと食べ比べてみると…
とはいえ、シラスの不漁はまったく原因不明である。量が足らないから、どこかから持ってくるか、代用品を考えるしかない。静岡県水産技術研究所浜松はうなぎの人工ふ化率を20%から50%にすることに成功した。たしかに朗報だが、今年は間に合わない。
同じ浜松市の商社は、アフリカのマダガスカルから初めてうなぎを輸入した。ためしに150キロ。色が少し黒く、「皮目が気になるが、味自体は問題ない」という。値段は国産の4割と安い。来月にはさらに4トンが入荷するそうだ。
成田市観光協会はうなぎ祭りに1000円の割引クーポンを抽選で2000枚配ったり、スタンプラリーの商品を豪華にするなど、「ピンチをチャンスに」 と大張りきりだ。小泉一成市長はハッピを着てカメラの前でうなぎを食べてみせた。
というわけかどうか、映像がスタジオに切り替わったら、司会のみのもんたはじめ、出演者たちはもう食べ始めている。国産とマダガスカルものの食べ較べだ。
みの「ボクの食べてるのは川豊だ。そっちがマダガスカル」
奥平が「マダガスカルは少し肉厚で、食感が違うようです」という。今後、米政府がワシントン条約の規制対象にうなぎを入れるとかいう話もある。みのは話なんか聞いちゃいない。「これが川豊の肝吸い? うまいねぇ。お新香までうまい」と食べるのに夢中だ。コメンテーターもどうやら、川豊ばかり突っついていたように見えた。