原発依存率の意見聴取会「なし崩し再稼働・長期維持」への既成事実作りか

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質疑応答もなく全国8か所で実施して8月に早くも結論

   司会の羽鳥慎一「抽選はちゃんと行われていると思うんですが」

   月刊誌『ゲーテ』編集長の舘野晴彦は「素朴な疑問だが、これは電力会社と一般の利用者が同じレベルで話す機会なのか。電力会社が入れば、抽選の結果といわれても怪しいと思わざるを得ない」と首をかしげる。城西国際大学非常勤講師の宮田佳代子は「放射能で直接的な死者はなくても、大切なことは、生活を奪われ、ふるさとを奪われ、生きる気力さえなくしている人がいるということ」と話す。スピードスケート金メダリストの清水宏保「自殺者が出ている」と、「死者が出ていない」という発言に反発した。

   そもそも、電力会社の経営者も従業員もいまは謙虚に国民の声を聞く時期のはずだ。傍聴者として参加するのならともかく、発言者として出ていって原発拡大、反原発批判をぶち上げる立場にはない。今回の彼らの発言は、福島原発事故について電力会社として反省もしてなければ、責任も感じていない証左だろう。反原発の広がりが収まったら、また元通りと考えているに違いない。

   政府は今後、意見聴取会を全国8会場で開催し、8月中に結論を出すことにしている。これについても舘野は「意見を述べるといっても1人10分ぐらい、質疑応答もない。これで国民の意見を聞きましたと既成事実にして結論を出すのは恐ろしいとだ」と語り、宮田も「国民の議論を深めるという趣旨だったのに、もともとの目的から外れてしまっている」と厳しく批判した。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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