小沢一郎元民主党代表が率いる小沢新党がきのう11日(2012年7月)、結成の日を迎えた。衆院議員37人、参院12人の49人が参加し、党名は「国民の生活が第一」、党首は小沢本人と決まった。しかし、「小沢王国」といわれた地元岩手で鉄の結束にほころびが見え始めているという。
地元・岩手県議は真っ二つ
「何にも変わらないんだろうな、と思いますよ」(中年女性)、「ちょっとは政治の風穴を開けてくれるんじゃないかと」(中年女性)、「私は小沢さんを尊敬しているので期待している」(高齢女性)、「展望がないと思います」(中年男性)。いずれもきのう、都内や盛岡市内で小沢新党について聞いた声で、賛否は分かれた。
もっとはっきり割れたのは岩手県議会の中だ。「岩手の復旧復興を早く進めて行きたい。そう思って残ってやっていこうと」と語るのは民主党に残留した高橋元県議だ。小沢新党に参加した及川幸子県議は「10人でも全然引け目は感じておりません。40数年来の小沢支持ですので」と語る。民主党県議23人のうち、小沢新党に参加したのは10人で、13人が民主党に残ることになった。
「マスコミはネガティブ要素を強調しすぎ」(松尾貴史)
そんな中、小沢新党の今後をどう見るか。政治アナリストの伊藤惇夫は「国民の側からすると、もうそのスローガン(国民の生活が第一)は過去の遺物になっているはず。小沢一郎という政治課家の旬が過ぎたということですかね」と冷たく切り捨てる。
これに対しタレントの松尾貴史は、「国民と約束したことをしっかりやっていこうという点では野田佳彦首相より筋が通っている。しかし、どうせダメだろうという論調がマスコミで繰り広げられていて、ネガティブ要素を強調しようとしている向きが多すぎるんではないか」と世論調査などを含め、「期待しない」声が多いことに不満な様子だ。
テレビ朝日ディレクターの玉川徹も「こういう政治状況にイライラして、決められる政治をという方がいらっしゃると思いますが、なんでも決まればいいのか。悪く決まるぐらいなら決まらない方がいいと私は思う」と、こちらも「決められる政治」を訴える現政権にアンチの立場のようだ。