「新しい党名は、『国民の生活が第一』 としたいのですが、いかがでしょうか」。これは3年前、民主党が掲げたキャッチフレーズだ。小沢一郎は「ここに立ち返った政策を実現させる」という。しかし、この人の口から「国民の生活」なんて言葉は聞きたくない。聞きたいのは「この3年間何をしていた」だ。
「反」ばっかりじゃ何をやりたいんだか…
新党参加は衆院37人、参院12人の計49人。新党きずなと統一会派を組む予定で、衆院では自民党に次ぐ第3会派となる。基本スタンスは野田首相との対決だ。「消費税増税法案撤回」と「脱原発」の2本柱である。東祥三幹事長は「野田首相はもう終わった。約束していないことをやれば有権者は怒り出すんじゃないの。それが民主主義」と鼻息は荒い。
しかし、周囲の目はそっけない。自民党の石破茂・元防衛相は、「くだらない。『国民の生活』はどの党だって思っている」。橋下徹・大阪市長は「だれと組むなんてどうでもいい話」。消費増税法に反対票を入れながら民主党に残った鳩山由紀夫元首相だけが「連絡をとりながらやっていく」
小林悠アナウンサーがJNNの世論調査結果を見せた。小沢新党に「期待する」13%、「期待しない」84%。「ありゃー」と司会のみのもんたもわざとらしい。北川正恭(早大大学院教授)は「反増税とか、反ではダメ。私はこうやるという明確な理念が出ていないのがいちばんの問題」という。
みの「84%というのは相当きつくないですか」
小松成美(ノンフィクション作家)「反増税、反原発に賛成は多いのに、これだけの数字というのは、政局に利用していると透けて見えてしまったということなのでしょう」
金井辰樹(東京新聞政治部記者)「その通り。この人たちは本当に国民の生活を心配しているのかな、選挙が第1じゃないのということ。増税なしで何ができるかを示すしかない」