昼ドラ侮るべからず!小学兄妹「昭和19年にタイムスリップした夏休み」無知で残酷な時代生き抜けるか…

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ぼくの夏休み(フジテレビ系月~金曜日ひる1時半)>子供にとって最大のイベント、夏休みがもうじき始まる。このドラマは、夏休みに現代の都会に住む兄妹が戦争中の田舎にタイムスリップする話である。昼ドラはあまり見ないけど、由紀さおり&ピンク・マルティーニの歌が聞きたくて録画したら(主題歌として「夜明けのスキャット」が使われているのだ)、ドラマに引き込まれてしまった。

   しかし、透き通るような美しい歌声に反して、第1回は薄暗い蔵の中ですさまじい折檻(せっかん)を受ける子供のショッキングなシーンで始まった。

電車乗り換えたら着いたところは戦争中の古い田舎

   小学6年生の和也(綾部守人)と4年生のはる菜(二宮星)は、両親に離婚話がもちあがったため、夏休みの間、母の実家に預けられることになる。兄妹は平成24年の上野駅から電車に乗るが、途中で乗り換えたら、それがなぜかSLで、着いた所は昭和19年の世界だった。駅には「うしくがわ(牛久川)」とあったから、茨城県らしい。

   母から渡された住所を頼りに行っても、そこに住んでいる人たちは兄妹の祖父母の名前さえ知らない。きっと、まだ生まれてもいないのだ。ここから兄妹の苦難が始まる。歴史も何も知らない子供にとって、昭和19年の日本はまったくの異世界だ。そこで、未来から来たことを知られずに、どうやって生き抜いていくのか。兄妹と一緒に「どうしたらいいんだろ、ああ、おかあさーん」と叫びたくなる。

   敗戦の1年前、戦死者が続出し、物資の欠乏も極まってくるなかで、人々の心も荒んできている。そんな当時の平均的な田舎の様子、庶民の無知や残酷さも容赦なく描かれていて、昼ドラ侮るべからず、である。

   最初、兄の和也は無責任の弱虫で、妹のはる菜は陽気だが「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と兄にくっついているばかりでウザい。そんな2人が夏休みが終わる頃、どんな成長を見せるのか。もちろん、最後は現代の母の所へ戻れるに違いないのだが、それでも2人の奮闘を見守りたい。8月31日まで放送の予定。

      

(カモノ・ハシ)

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