中国のホンネ「指導部交代を前にギクシャクしたくない」
時事通信の田崎史郎解説委員「消費増税法案の衆院通過でメドが経ったし、9月には日中正常化40周年を迎え、この時しかなかったのだろう」
実際、中国国営新華社は「誰であろうと中国の神聖な領土を売買することを許さない」と中国外務省の談話を配信したものの、抗議はそれまでいたって控えめだ。日中関係に詳しい拓殖大の石平客員教授は、「尖閣問題でことを構えたくないのが中国の本音だと思う。秋の共産党大会で最高指導部が変わり、取り敢えずは『国の安定』が第一と思っている」
野田の方も解散・総選挙もありうる情勢の中で、ここらでイメージのいい存在感を示したいところだろう。国有化のタイミングは今がいいというわけだが、コメンテーターの眞鍋かをり(女優)はこんな心配をする。
「もともと弱腰外交と言われるものがあったから、知事がはっきりした姿勢を示した。逆に国が買い取るとなるとその後が…」
都所有地になると、石原が尖閣諸島になんらかの施設のようなものを作り、そうなれば中国との関係はギクシャクする。それを避けたいというのが野田の思惑だろう。逆に、石原は国有化しても、これまでと同様に曖昧なまま、ただ放っておくだけだろうと懸念しているのだ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト