先週末(2012年7月6日)、突然、政府が尖閣諸島を買収するという話が出てきた。野田首相は「尖閣を平穏かつ安定的に維持・管理するにはどうしたらいいかという観点から、所有者とも連絡をとりながら総合的に検討しているところです」と言い出した。
この4月、「東京都が買う」と火をつけた石原都知事は、これまで埼玉在住の持ち主との間で、国の賃貸契約が切れる来年3月以降に買収という線で折り合っていた。そこへ国が出てきて、しかも持ち主のところへ乗込んでいた。知事にも補佐官らが首相の意向を伝えたが、知事はおかんむりだ。
地主は国に売るつもりなし。東京都が一旦取得して転売か
「結構だけれども、今までのいきさつもあるし相手の事情もある。東京に任せて、東京が取得したらそのまま国に任せますよ。で、どうなのといったら、ふにゃふにゃって帰っちゃった。
所有者からも電話かかってきて、『国から来ましたけども相手にしませんからご安心ください』。オレに黙って会いに行くってのもね、乱暴というか拙速というか、粗雑だよな、やることが。国がやりますから、引いてくれと。それなら最初からやればいいんだよ。民主党も支離滅裂。多分、人気稼ぎなんだろうね」
石原にしてみれば、オレの手柄を横取りしようとしやがってってなものなのだろう。尖閣諸島は沖縄本島から400キロ、 台湾に近い。5つの島のうち国有化されているのは大正島だけで、あとの4島は私有地。都が購入するとしているのは、魚釣島、南小島、北小島の3島で、02年から国が年間約2450万円で借り上げている。
1968年の国連の調査で周辺海域に大量の石油資源があることが判明すると、中国や台湾が領有権を主張し始めた。つまりはエネルギー問題なのだ。10年9月、中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりする事件が起こったが、これも中国のキャンペーンの結果だ。以後しばらく静かだったが、石原の動きでまた火がついた。 ま、いしはらはそれが狙いだが‥‥。