ネット証券「1秒保証」売買に時間かかったら手数料無料
1秒の重みの変化が極まっているのが証券取引の現場だ。一瞬でも早くいい銘柄を見つけて動くことが利益につながる。その早さが1000分の1 秒というからまさに極限に近い。
あるネット証券では「1秒保証」というサービスを始めた。注文を受けてから実際の売買までに1秒を超えたら、手数料は無料になる。取次処理速度は1秒以下が当たり前。個人投資家が求めているというのだ。
これが大手金融機関になると、為替、資源情報、政治情勢などをコンピューターが1000分の1秒単位で判断して、「適切な銘柄、株数、価格」を発注するという。現にコンピューターの画面には、100万分の1秒の単位で時間が刻まれていた。
東京証券取引所が2010年1月に導入したシステムは、1秒で最大数万件の取り引きを可能にした。野村総研の研究員も「どこまでいくのか。またそれがどんな意味があるのかもわからない」という。怖い話だ。
知恵と工夫で豊かさと便利を追求してきて、たどり着いたのがコンピューター支配の世界か。だれかが入力を間違えて暴走し始めたらどうなるのか。最後の手段、電源を切ろうとしたらコンピューターが抵抗したりして…。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2012年7月5日放送「変わる『1秒の重み』」)