元通産官僚で大阪府市統合本部特別顧問の古賀茂明は語気を強めた。「政府は東京電力のムダを見落としている。ムダをチェックできていない。それこそ会計の専門家を入れ、伝票を1枚1枚チェックしないかぎり、東電のムダ遣い体質は変えられない」
いったい何を怒っているのか。清水貴之リポーターは「経済産業省の有識者会議・電気料金審査専門委員会は、東電が申請している料金値上げは約1%低い9.3%前後にできると見ています。東電の総原価約5兆7600億円のうち、事業報酬や燃料費で500億円は削減できるというのです」と解説する。古賀はこの500億円の見積もりが小さすぎるというのだ。
経済産業省の専門委員会「維持費は妥当」と結論
司会の羽鳥慎一「わずか500億円?もっと削れるところがあると思う」
コメンテーターの吉永みち子(作家)「社員の給料も2割削減で現状維持といわれている。それでも高いといわれているのに、こんなことで身を削る改革なんてできるのでしょうか」
清水「専門委員会は2割削減が妥当であると判断したようです。もう一つ妥当であると判断したのが、福島第一原発5号機、6号機と第二原発の維持費です」
羽鳥「この原発維持費というのは何ですか」
ユニバーサルエネルギー研究所の金田武司氏が答えた。「将来的に原発が稼働するかもしれないということから、維持費は妥当だと考えたようです」
原発被害者や自治体は「廃炉にしてくれ」
吉永「廃炉にするための費用というのなら分かりますが、維持するための費用というのは通らない。原発被害の周辺の人たちはもちろん、県知事も廃炉にすることを求めているのですから、稼働するかもしれないというのは何を根拠にしているのか。稼働しなかったらそれまで注ぎ込まれたお金はどうなるのでしょう」
藤巻幸大(カリスマバイヤー)「東電はこの冬のボーナスは支給するという。本来ボーナスは利益が出たときの配分。利益が出せない経営状態なのに、ボーナスは支給するというのは筋が通らない」
原発事故被害住民、自治体が反対しても、政府と組んで大飯原発のように再稼働を強行するということなのだろう。