滋賀県大津市の中学2年生が昨年(2011年)10月、自宅マンションで転落死した。自殺と見られていたが、裏に学校側が公表しなかった酷いいじめがあったことが最近になって分かった。市教育委員会が昨年11月に、この中学校の生徒を対象にアンケート調査を行い、「死んだハチを口の中に入れろと言われていた」「体中を鉢巻きで拘束され3、4人に殴られていた」などの回答があり、市教委はいじめを受けていたと公表した。
ところが、市教委はアンケート結果の一部を公表していなかった。「(転落死した)男子生徒は昼休みに毎日、自殺の練習をさせられていた」「加害生徒が自殺の練習をしておくように言っていた」「先生に相談したが何もしてくれなかった」と15人の生徒が訴えていたが、これを握りつぶしていたのだ。少なくとも、生徒は酷いいじめがあることを教師に伝えていたわけで、学校側はいじめを知りながら放置していたということである。
「伝聞で直接目撃した生徒がいなかった」(教育委・学校)
市教委や学校はなぜ「自殺練習の強要」を伏せていたのか。「みな伝聞で、直接目撃した生徒がいない」「いじめと自殺の因果関係がわからない」と釈明している。転落死した生徒の両親は、市や加害生徒らを相手に約7700万円の損害賠償を求め提訴しているが、市は同様の理由で争う姿勢という。
キャスターの小倉智昭「学校や市教委は責任を取らされるのを嫌いますから、簡単には認めないですね」
田中雅子(経営コンサルタント)は「子どもたちはなかなか口に出さないし親にも言わない。ですからアンケートしているわけで、工夫の仕方に大きな落ち度があったにでは…」と市教委の対応を批判する。福田和也(慶大教授)も「子どものコミュニティーは独特ですから、学校が把握、コントロールするのはなかなかできない。外部の視点を入るのが大事と思う」話す。
こういう酷いいじめは、最終的手段として警察に通報するしかコントロールできないのではないか。