民主党がようやく造反議員の処分を出した。消費増税法案の衆院採決で反対し離党届けを出 した37人を除名にした。反対したが離党しない議員は除名ではなく党員資格停止。棄権・欠席は注意。参院議員12人 の離党届は受理するなど、さまざまな思惑が込められている。
野田首相は「決める時は決める。責任政党として一致結束して」と語ったが、言葉とはうらはらに、ことの中身はすっきりとはいかない。
新党結成また1人離脱でさびしい48人スタート
採決に反対したが離党はしない議員は19人。 党員資格停止処分は18人は2か月と軽いが、鳩山由紀夫元首相だけは6か月と重い。つまり、年内の解散・総選挙となると「公認しないよ」といったに等しい。鳩山は「覚悟の上ですから甘んじて受けます」と話すが、鳩山を中心に反対派議員らがさっそく会合を開いて、鳩山は「国民のために民主党をもう1度甦らすために気持ちを結集していきたい」と語った。会合に出た議員は、増税法案の参院審議に向けて内閣不信任案も視野にあるといっていた。民主党城の本丸攻防はまだ続くというわけだ。
一方、常任幹事会を終えた渡部恒三最高顧問は「満場一致。意見はまったくありませんでした。友人として、小沢君は気の毒だな。才能のある政治家だけど、これで終わりだろうな。さびしい」と言う。しばらく前に、「小沢先生、どうぞ反対してください」とニコニコしていたのとは別人の顔だった。
新党グループは会合を開き、小沢を党首に、党名や主要政策も小沢に一任と決めた。しかし、新たに水野知彦議員が離党届を撤回して計3人。離党組でも、瑞慶覧長敏議員が新党に加わらないと表明した。これで新党の規模は48人(衆院36、参院12)となった。これも 小沢には大きな誤算だったろう。
執行部の処分「基準なく何でもあり」
今回の処分について、慶応大教授の片山善博が面白いことをいった。「ルールがない。公務員でもどういう不始末にはどうするとルールがあるから処分できる。棄権・欠席でも、菅さんのときは注意ではすまなかった。そのつど決めていくというのは組織としてはまずい」と話す。ただ、今回は数を減らしたらいけないというのがあるから、いってみれば、なんでもありだ。そもそも組織としておかしいのは今回だけじゃない。
司会のみのもんた「新党はできるんですかね」
片山「ここまで来たらそれしかない。無所属でもいられない。どこかへ入るわけにもいかない。これから選挙区の突き上げもあるだろうし、居場所がなくなって新党へという人が出るかもしれない」
みの「選挙になると、1票の格差の問題がある。選挙が無効にならないようにしてもらいたい」
まずは議会を動かしてくれ。それが国民の願いだ。