この季節、人間ばかりでなく犬・猫のペットも熱中症になる。「ペットの熱中症は人間より罹りやすいのです。去年(2011年)も6月以降に熱中症で動物病院に運ばれたペットが激増しました。飼い主が知らないと大変な事になる意外な落し穴もあります」(松田利仁亜アナ)
元気になっても必ず動物病院で診察
横浜市の熊田真紀子さんが飼っているシーズー「シンカンセンクン」(3歳)は去年7月熱中症になった。「夕方の散歩のとき舌を出して、息も普段の倍ぐらい早く、目の焦点も定まっていませんでした。家にすぐ帰ってタオルの水で冷やして、保冷剤で体温を下げて、症状が少し落ち着いてから動物病院に行きました」
この応急処置のためシンカンセンクンは症状が進まず回復した。「ペットの熱中症の症状は、体温が高い、呼吸が荒い、ヨダレが出る、目が充血する、おう吐や下痢ですが、悪化すると呼び掛けに答えなくなり痙攣が出ます。早めの処置が必要になります」(松田アナ)
熱中症が回復しても思わぬ落し穴があるという。獣医師の清田大介さんが警告する。「熱中症の脱水症状から血の流れが悪くなり内臓がやられてしまう。いわゆる多臓器不全になってそのまま亡くなってしまうケースは多いんです。決して油断せずに、動物病院に行くべきですね」
毛の刈り込みすぎに落とし穴―直接日光当たりかえって危険
ペットに涼しさをと思い、毛を刈り込み過ぎるとまたまた落し穴にハマる。ペットサロン代表の早坂香さんが解説する。「夏用のショートカットは日除けの役割をしていた毛がなくなり、皮膚に直接日差しが当たるために体温が上がってしまいます。刈り込み過ぎは熱中症を誘発しているんです。毛を梳くカットがいいと思います。ある程度の長さを残して密度を少なくしてあげるんです。首や内股などの動脈の走っている箇所を重点的に梳いてやれば、より効果的です」
ペットの熱中症はほとんどが犬で、自由に動き回る猫は少ないという。
(磯G)