民主党の小沢一郎元代表のグループ議員50人がきのう2日(2012年7月)、輿石幹事長に離党届けを出した。小沢は「野田民主党は本来の民主党ではない。政権交代の原点に返るために離党する」とし、自派の会合では「必ず政権に復帰して増税法案を葬る」と気勢を上げた。
野田首相はこれに「日本の政治の分岐点になる」と述べたが、離党届は受理せず、除名扱いとする意向だ。だが、増税法案に反対した議員は他にもおり、離党の動きが広がらないために、党員資格停止もありうるとされる。
野田内閣8月解散もできず総辞職で「野垂れ死に」
ただ、離党届に署名していたうち、辻恵議員(大阪)と階猛議員(岩手)は離党に同調しなかった。2人とも小沢の側近で、弁護士出身の辻は小沢の裁判に助言。階は地元岩手の子飼いの1人だけに、小沢には大きな誤算だったに違いない。この結果、同調した衆院議員は38人にとどまり、先に離党している「きづな」の9人、新党大地の3人を含めても、単独で内閣不信任案を提出できる51人 は1人足らない。与良正男(毎日新聞論説委員)は「ショックだったろう」という。
与良「クールに見ると、民主党政権の終わりの始まり。政権のありようが変わってくる。野田さんが26日の段階でかつての小泉さんのように断固造反を切るというような対応をしていたら、展開は変わったと思う」
しかし、ここに至れば、もう後戻りはできない。与良は「小沢さんも3党合意ができるとは思っていなかったから、選挙で挽回するしかなくなった」という。スケジュールとしては、増税法案を参院で成立させ、特例公債法案、衆院の定員削減を上げて、大方は8月解散という読みだ。
与良「内閣総辞職もありうる」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「先に伸ばそうという見方も出ている」