牛肉のレバー刺しがあす30日(2012年6月)までで提供禁止になる。都内の焼肉店に28日夜、勤めを終えた駆け込み客が殺到した。店主によると通常の50倍の予約だという。よほどの心残りなのだろう。「これが人生最後のレバー刺しなのかなとかみしめています」なんて話す客もいる。
こんなとんでもない女性客もいた。「女の子3人で15人前頼んだら断られました。常識で考えてくださいと」。別の女性客は「きょうは仏壇に報告します。レバー刺しを食べる楽しさを亡くなった祖父が最初に教えてくれたんで。もう食べられなくなるよー、チーンって感じで…」とはしゃいでいる。
発祥は戦後の大阪・鶴橋
レバー刺しのルーツを「とくダネ!」が探ったところ、ホルモン店が軒を連ねる大阪の鶴橋だった。戦後、生レバーを提供する店が登場し、それが徐々に全国に広がったのだという。
レバー刺し販売禁止には拙速だとの批判も多い。コメンテーターのショーン・マクアードル川上(経営コンサツタント)は、「行政がやることやらないで、取り敢えず止めにしてしまうというのはよくない。魚の刺身はどうなのか、生タマゴに問題はないのか、どんどんダメになってしまうのでは」という。
深澤真紀(コラムニスト)「ちょっと今回は乱暴で、一足飛びだった。殺菌方法を専門家が検討されているようですが、日本人はこういう時、頑張るので。私はいまコンニャクの生レバー風が気に入っています」
牛の肝臓内部に0-157が検出された。確率は低いようだが、死者を出さないために行政がやることといったら、過熱を義務付けるか、生レバーの提供を禁止するしかない。「乱暴だ」と批判するのも乱暴な話だ。