「また大阪市の職員です」とアナウンサーの小松靖が切り出した。「ニュースアップ!」コーナーは、おととい(2012年6月26日)に続き、けさ28日も大阪の公務員の不祥事を取り上げた。おとといはバスの運賃箱から現金を抜き取ったというものだったが、今度は死亡者の金を不正に引き出すという、これも公務員にあるまじき行為だ。
身寄りのない死亡者の遺品整理や身元調査などを担当
大阪府警住吉署は27日、引き取り手のいない死亡者のキャッシュカードを使い不正に預金を引き出したとして、大阪市住吉区役所の職員(55)を窃盗の疑いで逮捕した。この職員は、身寄りのない死亡者の遺品整理や身元調査などの業務を1人で担当していた。
今年1月、住吉区に住む70代の男性が飲食店で食事をしていた際、喉に食べ物を詰まらせ搬送先の病院で死亡した。この男性が持っていたキャッシュカードでコンビニのATMから数回にわたって計数十万円を引き出した疑いがもたれている。死亡した男性の娘が大阪市内にいることが2か月後に分かり、所持品を渡したところ金が引き出されていることがわかった。
職員はパチンコや借金の返済にあてたと話している。上司は職員について「非常に温厚で人当たりも良く、区民の方にも信頼されていたと思っているんですけども」と話す。遺品は鍵のかかる倉庫で厳重に保管されていたというが、業務上の立場を悪用したとみられる。
後を絶たない逮捕者。毎年十数件~20件前後。今年度もすでに5件
司会の羽鳥慎一「それにしても多いですね」
小松が大阪市の職員の過去5年間の逮捕者件数を示す。2007年度28件、08年度16件、09年度21件、10年度16件、11年度18件、12年度もすでに5件。「なぜ、このように逮捕者が出るのか、橋下徹市長も怒り心頭で、服務規律刷新のプロジェクトチームを立ち上げていますが、減りません」と小松。
タレントの松尾貴史「公的な仕事しているのだから、お互いにチェックするような体質があればこんな数にはならないという気もしますが」
運賃着服といい、死亡者のキャッシュカードからの引き出しといい、簡単にバレそうな犯罪になぜ手を染めるのか。背景には長年にわたる綱紀の緩みがあるとしか思えない。