「消費増税法案」の衆院採決がきのう26日(2012年6月)行なわれ、法案は通ったものの、民主党から57人の反対と棄権15人が出た。新聞はいっせいに「事実上分裂」「政権交代が終わった」「新党結成へ」などと書いた。しかし、鳩山元首相をはじめ反対、棄権した議員の多くが「離党しない」といっている。野田首相は造反者に「厳正な処分」と言うが、輿石幹事長は「党を割ることはない」という。
前原政調会長「(小沢一郎は)本当の政治家ではない」
採決の結果に、仕掛けた小沢元代表は「よしっ」といったそうだ。72人という予想外の数字によほど満足したのだろう。直後のグループの会合では、「民主党の原点に戻る」「最後の努力を」と意気軒昂だった。
一方、「新党結成は金曜日」との情報も流れた。衆院40人、参院15人が小沢に進退を一任しているのだという。小沢のやることは入念でうさんくさい。
もとはといえば、党内で居場所がなくなった小沢が自らの生き残りのために仕掛けた闘いである。が、おかしなことに、党内でそれをはっきり言ったのは前原政調会長だけ。「(小沢は)次の選挙のことだけを考えているとしか思えない。本当の政治家ではない」ときついひと言だった。
こうした動きに、街の声の方がはるかに覚めている。消費増税に反対の人でも「財政状況が」とか、 「やむをえない」「理解できる」という声ばかり。「消費税絶対反対」なんてのはいなかった。共通していたのは「政争にはうんざり」だ。
「次の選挙は消費税の賛成・反対が焦点。国民が増税阻止する番」
ここで反対票を投じた2人の民主党議員が登場した。山岡賢次・副代表と川内博史氏。きのうの結果をふまえて、何やら「戦勝ムード」いっぱいだ。これに、TBS政治部長の龍崎孝が加わった。
司会のみのもんた「前原さんの発言どう思います?」
龍崎「正しい部分もあるが、次の選挙のことだけではないでしょう」
山岡「前原先生らしい。国民の意思を確認するのが選挙なのだから、目先だけではない。(離党に関しては)最後の最後まで努力する。これだけ反対が出れば内閣は死に体ですから、やめましょうということもありうる。小沢さんは総理に会う意思はある」
みの「取り下げなんてありえますか」
龍崎「小沢さんは『最善の努力』というが、取り下げなどありえない」
川内「分裂状態ではない。結束のきっかけになる。与党議員がこれだけ反対に回ったというのは、国民の意思の反映だと思う」
山岡「政局にしたいと思っていない」(十分に政局だろうに)
川内「3党合意は国民に理解されていない。党を立て直す」
スタジオもあぜんとしている。山岡はさらに「今度の選挙は消費税の賛成・反対が焦点になる。われわれが権力をとれるとは思わない。国民の力によって(選挙で)増税を止めるしかない。それが正しい道」という。
みの「もしそういうことになったら、世界中からいわれるでしょう」
逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)「どうやって財政再建するかというのがないと、株を売られる、債券を売られる、円を売られる。ハイパーインフレにもなりかねない。経済は大混乱になりますよ」
しかし、山岡は平然と「教科書にはそう書いてあるが、実際の政治は違う。円高とデフレがそう。絶対にそうはならない」と押し切ってしまった。選挙についても、「私たちは捨て石になる。国民に決めていただく」と民主党の政策をいくつも並べて、「まったくやられていない」と人ごとのように言う。やらなかった側に自分も入ってるのだろうに。やっぱり天敵を連れてこないとダメだ。