「法案通過に向けて支援、賛同を賜りますよう、心から心から心からお願い申し上げます」 と深々と頭を下げたが、拍手はまばらだった。まるで選挙演説だ。きのう25日(2012年6月)の民主党臨時代議士会で野田首相は反対を抑える最後の訴えしたが、状況を大きく変えることはできなかったようだ。「絶対おかしい」「党を割ってもいいんですか」と中間派の議員は叫んだが、もともと3党合意まで元へ戻せというのは無理な話だった。
事前に「離党届け預かり」本当にあったのか?
衆院採決で反対した議員のうち、本当に離党するのは何人になるのか。54人 を上回れば民主党は衆院で単独過半数を割る。40人超でも小沢グループは他会 派と連携して不信任案を提出できるようになる。「反対だが離党はしない」というおかしな議員も結構いて、鳩山元代表もその1人だ。目下のところ、離党は40人程度という読みになるそうだ。選挙区の事情から、小沢グループの中でも離党しない議員 が35人くらいはいる。
スタジオには民主党の「賛成派」蓮舫議員、「反対派」東祥三議員が並んだ。司会のみのもんたはさっそく例の話を持ち出した。小沢グループの会合の後、1人ひとりを別室に呼んで離党届を預かったというやつだ。東は否定していた。「ホントにあったんですか」
東「政治家同士が1対1で話し合うとき、そういうこともあるかもしれない。ボクの場合はなかった。目と目でわかる」
みの「離党届をあずかった?」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「あのとき49人集まって、45人が届けを書いたと」
東「それはわかりません。ボクは用意してるが。消費税については3年前の約束と違うし、増税の前にやることがある」
杉尾が「3年経ってできなかったことがたくさんあった。民主党全体の責任であって、人ごとじゃないでしょ。できなかったんだから」
東は「あれもやれ」「これもやれ」と並べたが、党内野党の立場であることがかえってはっきりしてしまった。要するに3年間何もやっていない。
蓮舫「税収不足ではやろうとしていることができない」
対して、蓮舫は明快だった。「税収は上がらないのに、自公時代に作った社会保障費を毎年2.6兆円分確保しないといけない。すると私たちがやろうとしたことが先送りされる。 このジレンマのなかで、党内で半年かけて議論して作った法案。しかし(国会の)ねじれで通らない。それを通る方策が3党合意です。次の世代の借金にはしないという首相の意志。自公時代でもできなかった答を出そうというものです」
杉尾「東さんと蓮舫さんが一緒にいるのは事実上無理ですよ。分裂した方がいい」(笑い)
東は「基本的な理念とか、民主主義の根幹をどうとらえるか」と話しだし、なお「3年前に約束した」と言う。が、それはもう実現できないから、いまこうなっているんだというおかしさを暴かないといけない。