「東京電力は福島原発事故の容疑者のような存在で、しかも公的資金を投入されている『禁治産者』。それなのに国民の生命や安全を考えず、儲けのために柏崎刈羽原発の再稼働に踏み出そうとしているのですから許されません。政府も財界も儲けるために協力しているだけ。政財官の癒着です」
禁治産者という言葉の意味を間違っているけれど、これは「週刊現代」の「こんなときに『東電柏崎原発』再稼働計画かよ」のなかのルポライター・鎌田慧のコメントである。
大飯原発に続いて続々と各地の原発が再稼働されようとしている。現代の大好きな橋下徹大阪市長も大飯原発再稼働やむなしと前言を翻してしまった。なし崩し的な再稼働は絶対許してはいけない。声をあげ続けることこそが大事である。
20年近く前の「浮気」が恐喝ネタとは不自然
さて、「週刊文春」がまたまたやってくれた。いまや文春は、一瞬ではあったが、かつての『噂の真相』の一時期のようになってきた。スキャンダルは文春へ持っていこうが合い言葉になってきているのではないか。ライバル週刊誌は戦々恐々であろう。
今週は原辰徳・巨人軍監督が元暴力団員に1億円払っていたという、これまた仰天スキャンダルである。それも、文春の発売前日に巨人軍が記者会見をして暴力団員ではないといいながらも大筋で事実を認め、原もお詫びの文書を出して、そうしたことがあったことを告白したのだ。
まず、事件から見ていこう。きっかけは1本の電話だった。2009年4月に巨人軍の球団事務所に山本正志(仮名)を名乗る男から電話が入り、山本は電話を受けた球団職員に「原監督に渡っている、ある女性の日記を返してほしい。(中略)返してくれないなら、騒ぎを大きくする」と通告したそうだ。この電話に続く8か月にもおよぶ脅迫事件が、封印されていた原監督の醜聞、暴力団関係者による1億円恐喝事件の存在を浮かびあがらせた。
それは約24年前のこと。当時のジャイアンツは王貞治監督が率いて、中畑清や篠塚利夫、吉村禎章らが活躍し、中でも『若大将』の愛称で親しまれていた4番バッター原辰徳が人気の中心だった。新人王、3年目にはMVPに選ばれるなどスター街道を驀進し、86年には5歳年上の明子夫人と結婚、88年には長男も誕生している。そんな幸せな生活の一方で、別の女性との間に重大な問題を抱えていたという。