民主党・小沢一郎元代表の壊し屋復活か、それとも最後のあだ花か。きのう21日(2012年6月)、所太郎リポーターが国会内で取材していた。「会期の延長を決議して、本会議場から民主党の皆さんが次々と出て来ました。その様子は固い表情の方が多いです」
東祥三衆議院議員は「民主党はついにルビコン川を渡ってしまった」と語った。
思惑外れで振り上げた拳おろせなくなった小沢一郎
政治アナリスト・伊藤惇夫は「小沢さんの最初の計画では採決を先送りして、衆議院解散・総選挙はなしという状況を作り出すはずだった。ところが、3党合意の成立でこの戦略が狂ってしまった。そのため、振り上げた拳をおろせなくなってしまった」と解説する。
国会記者会館の山崎陽弘記者に司会の羽鳥慎一が、「少数与党に転落する造反54人というラインは実現できそうですか」と聞く。
山崎「きのうの段階で50人は確保したと見られています。小沢氏の周辺からは60人は確実だという声も聞かれます」
羽鳥「小沢さんは本当に党を割る気でしょうか」
山崎「本音は出ていきたくはないと思っているでしょう。しかし、小沢氏周辺には強硬派が多く、今回はその強硬派に引っ張られるような形になっています」
後援者から「造反やめとけ」
コメンテーターの藤巻幸大(カリスマバイヤー)は「茶番劇を見ているようだ。小沢氏は作っては壊し、また作っては壊しを何回も繰り返してきた。今回の分裂で、その先に何を見ているのだろうか」と語る。吉永みち子(作家)は「小沢さんにはこれまでそれなりの吸引力があった。でも、今回はどこか違う。人をひきつけるというよりも、周囲から押し出されるという感じがする」と話す。
山崎「法案の採決は来週火曜日です。それまでに土曜・日曜がはさまれていて、ここが大きなヤマ場です。多くの議員は選挙区に戻りますから、ここで地元がどんな反応を見せるか。党執行部は支援団体や労働組合などを通じて、さまざまな引き留め策に出てくるでしょう」
ただ、離党といっても、野党で分裂するのと、政権・与党から飛び出すのではまったく違う。小沢グループからも「造反やめた」という議員がかなり出るだろう。小沢が勝負と考えているのは消費増税法案の採決ではなく、会期末に野党が出すかもしれない内閣不信任案だろう。それに乗れば政界再編、乗らなければ野田内閣の院政という戦略だ。