千葉県浦安市内のマンションであった看護師刺殺事件で、同じマンションに住む容疑者が21日逮捕された。密室の殺人ともいわれナゾが多かったが、ナゾを一つ一つ解明して犯人にたどり着いた。
事件直後に犯人・西岡に接触し「協力要請」
逮捕されたのは同じマンション5階に住む会社員、西岡大志容疑者(26)で、西岡は「盗みの目的で入ったが、気づかれて刺した」と供述しているという。事件発生4日後に「とくダネ!」の記者がこの男にインタビューしていた。
―事件のあった部屋の人は知っているか。
「基本的に違う階に住んでいる人で、たぶん知らない人かな」
―警察からどういうことを聞かれたか。
「今後、捜査に協力をお願いしますって感じで。とくに何も言われていない」
―防犯カメラの写真などは?
「今のところはないですね」
この記者は「堂々としていて、容疑者っぽい怪しいそぶりはまったくなかった」という。
靴型、指紋採取、毛髪、DNA検査
西岡逮捕のきっかけになったのは防犯カメラの映像だった。マンションには3つの出入り口があるが、その周辺に多くの防犯カメラが設置され、外部からの不審者に対してしっかりしたセキュリティー対策が取られていた。
警察は防犯カメラの映像で看護師が殺された前後の時間帯を中心に出入りした人物を徹底的に調べた。ところが、不審な人物の姿を確認することができなかったという。そこで、マンション内の住人による犯行説が出てきた。住人の靴型、指紋採取、毛髪、口腔内の唾液を採取しDNA検査もしたらしい。その結果、看護師のいた部屋に残された毛髪から浮上したのが西岡だった。
防犯カメラは西岡の姿も捉えていた。仙台から元交際相手のマンションを訪れた看護師は、マンションがオートロックのため住民の後について建物内に入った。防犯カメラの映像によるとこの住民が西岡だった。この後、看護師は郵便受けにあった合いかぎを持って2階に部屋に行っている。看護師は部屋に入った後、いったん買い物に出かけ、数分後に戻ってきた姿も映像に映っていた。その前後、エレベーター内の防犯カメラに、西岡らしい男が床に落ちていた何かを拾う姿も捉えていた。
ただ、まだナゾが残っている。西岡は犯行動機について「盗みが目的で入った。戸は開いていた」と自供しているが、看護師の財布は部屋に残されており、動機がはっきりしない。コラムニストの深澤真紀は「これだけ防犯カメラがあれば内部の犯行とバレてしまうのに、なぜ?」と訝った。