東電「原発事故調査報告」津波が悪い!政府が悪い!避難住民関心ない!

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   東京電力は20日(2012年6月)、福島第1原発事故について自社で調査した最終報告書を公表したが、事故原因に言及した部分は少なく、「想定を超える津波に襲われた」と結論づけた。仕方なかったと言いたげだ。事故後の対応についても、首相官邸の介入で「無用の混乱を助長させた」とし、責任逃れに終始する始末だ。

   取材した田中良幸アナによると、「会見は4時間以上にわたり、ほとんどの記者が納得いく回答を得られないまま終わった」という。

1000ページの報告書で「事故原因」20行、「被害地関係」数行

   会見直前に配られた最終報告書は536ページにおよぶ分厚いもので、添付資料を合わせると1000ページを超える。ところが、肝心の事故原因については20行足らずで、「津波に対する備えが不十分であったことが今回の事故の根本的な原因」とあっさり片付けてしまう。

   事故対応が正しかったかどうかや責任の所在についてはまったく記述がなく、報告書を作成した担当者が会見で「(報告書は)責任の所在を明確にする目的ではない」と強弁する始末だった。

   その一方で、事故情報の公開に時間がかかったことについては「官邸や国など事前調整が必要だった」として、政府の介入によって「緊急事態対応のなかで無用の混乱を助長させた」と主張、悪いのは政府だというわけだ。原発事故被害地について触れたのは最後の数行だけ。福島県双葉町の井戸川町長は「これは何なのでしょう。事故報告書というものじゃない」と呆れる。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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