東京電力・福島原発事故で双葉町から約2万人の避難を受け入れたいわき市が、避難長期化で困惑している。井口成人リポーターが解説した。
「現在、双葉町は埼玉県加須市に役場を移転していますが、町議会は役場機能を福島県内に戻すよう求める決議案を全会一致で可決しました。調査特別委が5月上旬に町民に『戻る先としてどこがいいか』というアンケートを実施したところ、いわき市が圧倒的だったのです」
そこで、双葉町はいわき市に町役場の移転を打診したのだが…。
増加するデイサービス、ゴミ処理、学校教師…財政がもたない!
司会の羽鳥慎一「どうしていわき市が好ましいという結果が出たの?」
井口「福島県は海側から浜通り、中通り、会津地方と3つの地方に分かれていますが、会津地方は冬寒く、中通りは盆地なので夏熱い。海を見ながら生活してきた双葉町の皆さんには、浜通りにあるいわき市が一番と考えたようです。しかし、双葉町の皆さんが定住するということになると、いわき市の財政負担は相当なものになります」
これまででも、避難者を受け入れていることで、デイサービスを受ける高齢者3割増、ゴミ処理1割増、小中学校の教師不足が起きているのだ。渡辺敏夫いわき市長は「いわき市だけで引き受けるのは限界がある。新たなインフラ整備をするにも予算がなく、税収の増加も見込めない。県や国に何らかの補助をお願いしたい」と話す。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト