台風4号は強烈な雨と風をもたらして列島を縦断していったが、「6月にこれだけ強い台風が来るとこれから夏はどうなるんだろう」とキャスターの小倉智昭が気象予報士の天達武史に聞いた。「6月に上陸した過去の年に共通しているのは、台風の上陸回数が多いこと。それと梅雨明けが早いという特徴があります」
梅雨明け早いが豪雨もたらすクラウドクラスター発達
天達によると、上陸する台風は例年だと2~3個なのに、6月初上陸した年の台風の上陸回数は、1978年4回、81年3回、89年5回、97年4回、6月に2個が高知県室戸市に上陸した04年は最多の10回となっている。それらの年の梅雨明けは、関東甲信で例年は7月21日なのに、78年7月4日、81年7月8日、89年と97年7月19日、04年7月13日と早まっている。
たしかにいまも、台湾付近にいる台風5号がさっそく近づきつつある。天達は「この5号は4号に比べ勢力は劣り、九州付近で温帯低気圧に変わると思われるが、油断はできない」という。というのも、5号の前方、沖縄から九州、四国にかけてクラウドクラスターと呼ばれる積乱雲の集合体が、梅雨前線と一体化しているからだ。クラウドクラスターは梅雨末期の豪雨として起きるが、今年は早めに起きている。5号接近とともにあす以降九州を中心に大雨を降らす可能性があるというのだ。
天達は警告する。「まだ梅雨に入ったばかり。これからが梅雨本番ということを忘れないで欲しい」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト