知りたいのは「脱原発依存」放棄したのか
国谷「西川知事は大飯原発の再稼働について、『国から安全確保に努力するという約束をいただいた。主な電力消費地である関西の国民の生活と産業の安定を守るために、再稼働に同意する決意を伝えた』と話していますが、今後の安全確保はどのようにお考えですか」
細野「まずは大飯原発の再稼働に向けた工程の安全性のチェックです。くれぐれも見落としがないように細かな注意が必要です」
いったいこの日の「クローズアップ現代」は何を伝えたかったのか。「政治決断を問う」などと言いながら、野田内閣の言い分を垂れ流しただけである。国民が本当に問いたいのは、そのプロセスは「ただちにゼロ」から「寿命が来たものから停止・新設ゼロ」までさまざまにあるが、多くが納得している「脱原発依存」という方向はどうなってしまうのかという点だろう。社会問題などでは鋭い切り込みを見せる「クローズアップ現代」だが、政治がらみのこうしたテーマになると、たちまち「国営放送」の馬脚を現してしまう。
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2012年6月18日放送「原発運転再開『政治決断』を問う」