漫画喫茶という情けない所で逮捕されたオウム特別手配犯の高橋克也容疑者は、コインロッカーに隠していたキャリーバッグの中に麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚とのツーショット写真や説教テープなども入れていた。ロッカーの使用履歴によると、逮捕された15日(2012年6月)までに、4回もロッカーを開けており、警視庁はツーショット写真などを出しては眺めていたのではないかと調べている。
マインドコントロールまだズブズブの高橋克也
オウムの元信者は「写真を使って瞑想するのはオウムの修業のなかでも重要な位置を占めている。(高橋は)その写真を使って瞑想修行していたのではないか。オウムから抜けられないんじゃなくて、抜けたくないのでは。いったん教えに染まってしまうと、抜けるのは難しいし、怖いし、大変な作業なんです」と話す。
オウム真理教に詳しい紀藤弁護士はこう指摘する。「とくに説法テープは松本死刑囚の肉声による具体的な指示が入っており、ツーショット写真は、信者の彼にとって礼拝の際の必需品。そういう意味でこの2つを隠し持っていたということは、かなりマインドコントロールが残っているのだと思う」
信者増え続け大量殺人の教え復活
このオウムの闇の部分が、今も後継団体であるアレフなどに受け繋がれ増殖しつつある。アレフの施設では松本死刑囚の写真が祭壇に飾られ、施設を出入りする信者は取材にも無言で、昔のオウムそのままだ。
紀藤弁護士「アレフは1995年当時のオウムに戻そうという原点回帰をここ2年ぐらい進めています。取材拒否はまさにそれを象徴している。オウムの活動は善行と信じ、外の人間は悪行を積んでいるので無間地獄に落ち、生まれ変わってもウジ虫以下だから殺してあげた方がいいとサリン事件を引き起こした。その教えを復活させようとしている」
キャスター小倉智昭「高橋容疑者の逮捕は、こうした信者にどんな影響が考えられるのでしょうか」
紀藤弁護士「サリン事件は風化していて、この4年間で500人も信者が増えている。17年間逃亡してきた高橋容疑者は褒められることはあっても、非難されることはないでしょう」
小倉が「ということは、これから(オウム死刑囚の)刑の執行があるたびに何か起こるのではという恐怖感を持たないといけないんじゃない」
共犯者である高橋逮捕で松本らの刑の執行は先延ばしになりそうだが、オウム死刑囚は13人いる。