社会保障と税の一体改革は曲がりなりにも民自公3党が合意した。きょう18日(2012年6月)からの民主党の党内論議は波乱含み、どころか分裂含みだ。 が、野田首相はきのう「私がいない間にも進展があると思っている」と自信たっぷりに述べて、メキシコG20へと発った。この自信は何なのか。
足元見透かされている小沢・鳩山。野田首相は「一件落着」
税率とアップの時期では合意ができたが、マニフェストにあった「最低保障年金」「後期高齢者医療制度廃止」などはそっくり棚上げ。民主党内からは、小沢元代表らの増税反対に加え、中間派からも「譲り過ぎだ」という反発がある。鳩山元代表は「強引に通すと分裂する危険性が極めて高い」と話すが、分裂はもはやだれの目にも明らかだ。野田は「輿石幹事長を中心にしっかり対応してくれると確信している。全幅の信頼を置いている」と言い、「不測の事態は起こりえない」ということなのだろうか。
柿崎明二(共同通信政治部次長)「逆に考えるとわかりやすい。自民は民主の分裂がねらいだったから、分裂しなければ合意はできなかった。輿石氏がどう動くかだが、自分から出ていくことはないだろう。採決で造反して除名で出ていくことはあるだろう」
司会のみのもんた「(小沢は会合に)出てもこないで反対というのは」。おとといの会合のことだ。
柿崎「(小沢は)自分たちの方が本当の民主党だと思ってるからですよ」
この会合で一番面白かったのは渡部恒三・顧問だ。ニコニコしながら「小沢先生、鳩山先生、どうぞ反対なさってください。民主党はすっきりする」といっていた。そう、あれらがいなくなれば民主党はすっきりする。柿崎も「党内了承手続きは20日までには終わり、党首会談を経て21日には採決ということになる」と見る。
みの「造反は出る?」
柿崎「出ると思います。採決で棄権するとか」
問題は何人くらいが付いていくかだ。今のところせいぜい50人とかいう数がいわれている。小沢が思っていた以上に野田は強かったということか。「ひっくり返すぞ」と脅していても、「どうぞ」といわれたとたんに攻守ところを変える。中間派議員も選挙が視野に入れば計算が働くだろう。全てを折り込んでか、野田の出発記事は朝日新聞ではベタ扱いだった。つまり、何も起らない。どじょう宰相はなかなかにしたたかである。