「ありをかえれば未来がかわる」―こんなキャッチフレーズで環境・経産両省が13日(2012年6月)、製造・販売する電球を白熱電球からLED電球に切り替えるようメーカーに要請した。全国の白熱電球をすべてLED電球に代えると原発13基分、年間922億キロワットの節電になるという。「あかり未来計画」と銘打った節電対策で、趣旨は分かるが、ネックはおカネがかかること。さて、街の声はどんな反応を示すか。
消費電力も寿命も優れてるけど、とにかく高い!
白熱電球とLED電球を比較すると、40ワット型の白熱電球は電力消費量36ワット、1年間(2000時間)の電気代1600円、寿命は1000時間なのに対し、LED電球は6.3ワットで6分の1、電気代は280円、寿命は40000時間だ。ところが、値段は白熱電球は100円ほど、LED電球は2000円から3000円、LED蛍光灯となると1本1万~2万5000円もする。
消費者たちは「いいじゃないですか、私は賛成」(70代女性)という「あかり未来計画」に賛成論もあるが、やはり多いのは「節電って結構お金が掛かるなというのを実感として思います」(40代女性)という声だ。東京・八王子の電球専門店は「国がそういう政策を打ち出したことでLEDの売り上げが増える」と期待する一方で、「(LEDが)行きわたってしまうともう売れない。リピートがないので、次に何を売って商売を続けられるか不安だ。これはメーカーも同じでしょう」と話す。
メーカーは年内で白熱電球の製造ほぼ終了
東芝ライテックと三菱電機オスラムはすでに白熱電球の生産は終了、パナソニックエコソリューションズも今年度(2012年度)終了を3か月前倒しし年内終了にするという。
ただ、こんなさびしい話もあった。川崎市内で白熱電球のガラス部分を45年間製造してきた町工場の経営者は、「仕事も減ってきた。これじゃ息子に継がせるわけにはいかない。自分の代で終わりにしないと」いう。
キャスターの小倉智昭「大変な節約になるんですが、すぐにLEDに飛びつくかというとなかなか動けないかもね」