福島原発周辺住民64%帰還困難。10年後も2割がダメ
野田の言う「国民の生活を守るため」という空疎なセリフは、勘ぐれば、立地自治体のおおい町住民の生活を守るためとも、停止中の他の原発の再稼働を視野に入れた発言とも取れる。
キャスターの小倉智昭は「野田さんは『国民のため』と強調されたが、『国民の安全のために』ということも一方では重要なことですがね…」と強い不満を。たしかに、「国民生活守るのため」と「国民の安全のため」では意味は違ってくる。
番組の示したデータによると、福島原発周辺11市町村の64%の住民が帰還困難な状態にあり、10年後も約20%が帰還できないという。NHK は10日のETV特集で、福島市内を流れる阿武隈川の河岸が高濃度の放射性物質に汚染され、立ち入れない状態が放置されたままだと取り上げていた。応急手当のような安全対策で再稼働に踏み切れば、そうした怖さが琵琶湖周辺、さらには京都や大阪市内でも起きない保障はない。
コメンテーターの夏野剛(NTTドコモ元執行役員)は「曲がりなりにも選挙で選ばれたリーダーが、こう決めたんだから従うしかないんですかね」という。地震、津波がないことを神仏に祈るしかないというわけか…。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト