司会のみのもんたの姿がきのう10日(2012年6月)、宮城・石巻にあった。市の中心部で開かれた「石巻まちなか復興マルシェ」でシャコ丼をほおばったり、焼き魚をつまんだり、握手したり…。しかし、町の実相はそんな浮ついたものではなかった。
いまだ行方不明4人。「「体の一部でもいい、お墓に入れてやりたい」
大川小学校では生徒108人中70人が死亡、4人がまだ行方不明だ。校庭で40分も待機したあと、川へ向かって移動したところを津波にさらわれた。学校の裏手に小高い山がある。
みの「なんで裏山へ逃げなかったんだろ」
だれもがあれほどの津波が来るなんて思いもしなかったのだ。長面地区の海辺では、不明児童の父兄が自ら重機を操って津波で厚く積もった土を掘り返していた。そのために免許をとり、重機を借りて毎日掘り続けているのだ。重機は2台、2家族だった。9歳の娘を捜す母親は「体の一部でもいい、お墓に入れてやりたい」という。8歳の息子を捜す父親は「見つけたい、会いたいです」
港の沖合にいくつものブイ…引き上げ進まぬクルマ
がれきの処理はもっと深刻だった。みのが訪れた集積場には、東京ドーム16個分の敷地に日本最大級の処理施設ができていた。がれきを手作業で細かく分別して 破砕し、さらに人力で木材、金属、コンクリートなどに分ける。最後の可燃物だけを焼却する。
「ここまでやっているとは思わなかった。気の遠くなるような作業だね」とみのが驚く。
仮置き場に積上げられたがれきは高さ20メートル、100万トン。市内には計22か所、 がれきの総量は445万トンと他の自治体より飛び抜けて多い。処理には2年をかけるが、それには他の自治体の協力が必要だ。だが、例の「放射能」風評で思うように進んでいない。そこで分別したものの放射能を測ってみた。反応がない。ゴミのないところでも0.05マイクロシーベルト/時だから、ほとんどないということだ。
みの「完璧だね。ここまで細かくやってることを知らないんだろうな、みんな」
がれきの総量は岩手525万トン、宮城1154万トンだが、そのうち広域処理が必要なものは、247万トン。しかし、処理済みはわずか7.4万トンで3%だ。みのは「日本人全体の問題として処理を進めてくださいよ」と持論を重ねる。
港の沖には色とりどりのブイが浮かんでいた。みのは「カキの養殖の目印かと思ったら、ブイの下には車があるんだと。まだ引き上げられていない。きょうは月命日。1年3か月ですよ」
野田首相は消費増税に政治生命をかけ、大飯原発再稼働に自分の責任を表明するが、東日本大震災の復興は現場まかせだ。
ところで、「朝ズバッ!」はTBS系が中継している「UEFAユーロ2012」サッカーの週末の結果を伝えていて、引き分けとなった初戦の「ポーランドvsギリシャ」を伝えたとき、アナウンサーの加藤シルビアが日本語ではなく何か叫んだ。どうやらポーランド語で「あと1点!」と言ったらしい。そう言えば、加藤はポーランド系だった。