港の沖合にいくつものブイ…引き上げ進まぬクルマ
がれきの処理はもっと深刻だった。みのが訪れた集積場には、東京ドーム16個分の敷地に日本最大級の処理施設ができていた。がれきを手作業で細かく分別して 破砕し、さらに人力で木材、金属、コンクリートなどに分ける。最後の可燃物だけを焼却する。
「ここまでやっているとは思わなかった。気の遠くなるような作業だね」とみのが驚く。
仮置き場に積上げられたがれきは高さ20メートル、100万トン。市内には計22か所、 がれきの総量は445万トンと他の自治体より飛び抜けて多い。処理には2年をかけるが、それには他の自治体の協力が必要だ。だが、例の「放射能」風評で思うように進んでいない。そこで分別したものの放射能を測ってみた。反応がない。ゴミのないところでも0.05マイクロシーベルト/時だから、ほとんどないということだ。
みの「完璧だね。ここまで細かくやってることを知らないんだろうな、みんな」
がれきの総量は岩手525万トン、宮城1154万トンだが、そのうち広域処理が必要なものは、247万トン。しかし、処理済みはわずか7.4万トンで3%だ。みのは「日本人全体の問題として処理を進めてくださいよ」と持論を重ねる。
港の沖には色とりどりのブイが浮かんでいた。みのは「カキの養殖の目印かと思ったら、ブイの下には車があるんだと。まだ引き上げられていない。きょうは月命日。1年3か月ですよ」
野田首相は消費増税に政治生命をかけ、大飯原発再稼働に自分の責任を表明するが、東日本大震災の復興は現場まかせだ。
ところで、「朝ズバッ!」はTBS系が中継している「UEFAユーロ2012」サッカーの週末の結果を伝えていて、引き分けとなった初戦の「ポーランドvsギリシャ」を伝えたとき、アナウンサーの加藤シルビアが日本語ではなく何か叫んだ。どうやらポーランド語で「あと1点!」と言ったらしい。そう言えば、加藤はポーランド系だった。