「東電女性社員殺害」再審―警察・検察・裁判所「マイナリ犯人シフト」の恐ろしさ

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一審「無罪」の裁判長「私はきちっと証拠で判断した」

   一審の裁判長だった山室恵さんは、「裁判官の多くは有罪が妥当と考えていた」という。「状況証拠は圧倒的にマイナリを指していた。私はきちっと証拠で判断した。だから恐ろしいんですよ」。では、一審と二審を分けたものは何か。東京高裁判事だった木谷明さん(現・法政大学大学院教授)は、「(裁判官は)最初に被告人がちょっとおかしいなと感じると、心証でそれを引きずってしまうことがある。マイナリさんの弁解が曖昧であったことは間違いない。でも裁判所が簡単に弁解を排斥してしまったのは問題だった」と話す。そして、「弁護側は検察が持っている証拠の全部は知らない。現行制度の盲点で、知っていればもっと早く(再審決定が)できただろう」と言う。

   キャスターの国谷弘子「プロが捜査してプロが裁く。それが同じ流れに乗ってしまうのは怖い」

   木谷教授「裁判所はもっと証拠を批判的に見る必要がある。有罪を厳格に考えるべきだと思います」

   マイナリさんが支援者に送った手紙は120通にもなる。初めローマ字だけだったのが、いまは漢字仮名交じりで「私は再審無罪でネパールに帰ることを期待しています。私は犯人ではない」と書いてあった。これほど痛ましく悲しい15年があっただろうか。有罪判決を出した裁判官に聞いてみたい。再審決定後もなお有罪といい続ける検察にも。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2012年6月7日放送「東電女性社員殺害事件 再審の衝撃」)

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