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芸能プロダクション「バーニング」強面・周防社長悩ます不肖の息子

   「週刊新潮」の「『バーニング周防社長』が解決金を覚悟した息子への恐喝トラブル」というタイトルに惹かれて読んでみたが、不可解としかいいようのない内容であった。要は芸能記者のいう、「5月始めごろから、周防社長の長男に不適切な女性関の疑惑が持ち上がり、なおかつ、それをネタにした『恐喝トラブル』に巻き込まれているという噂が出回っている」ようで、新潮は両者の話し合いの現場にいて写真まで撮っているのである。

   片方の男はレースクイーンなどが所属する芸能プロダクションの経営に携わっていたが、ある事件をきっかけにプロダクションを閉め、周防社長の長男の会社が何人かを引き取ったそうだ。そのとき移籍した女性と長男が付き合い始めたが、1年ほどで仕事がきついと辞め、2人の関係も自然消滅したはずなのに、この春、その女性が長男に無理矢理関係を迫られたと口にするようになったそうだ。そこで件のプロダクションの社長が周防社長に直談判し、周防社長は数千万円払う気になったというのだ。

   だが、どうやらこの話、根も葉もない作り話のようなのである。では、どうしてこんな話を新潮が掲載したのだろうか。芸能界のドンといわれるバーニングの周防社長が、降りかかった火の粉を振り払うために新潮に頼んだのか? 何となくスッキリしない記事ではある。

   だいぶ昔になるが、私が周防社長にこう聞いたことがあった。「息子さんを跡継ぎにするのか」。そのとき彼は、この世界は世襲などできない、私一代限りにしますといっていたが、人間、歳をとると身内に引き継ぎたくなるようである。だが、その身内が彼より優れていることはありえない。このようなトラブルも処理できない息子に弱っている親の姿が垣間見える気がするのは、私の考えすぎだろうか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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