経済産業省が7日(2012年6月)に開いた東京電力の家庭向け電気料金値上げの公聴会で、消費者の怒りが爆発した。電気料金の値上げは法律で一般消費者から意見を聞くことが義務付けられているが、公聴会はこの日と9日に埼玉・大宮で予定されている2回だけ。しかも出席する消費者はたったの10人、大宮では5人という。
開催2回だけ。消費者出席5~10人まで。
「普通の企業は値上げありきではなく、値上げゼロを前提にコストを削っている。東電の料金決定の方法はおかしい」(男性会社員)
「賞与などを理由に値上げするとは、既得権による甘えとしか取れず納得できない」(男性会社員)
東電「32年ぶりの値上げ」を強調していたが、これもおかしい。電力会社は原油が値上がりするたびに、製造業では考えられない燃料費調整制度で告知なしに値上げしてきた。原油の値上がり分を消費者に自動的に転嫁できることから、燃料元売り会社との価格交渉もたいして努力せず、かなり割高しい購入しているといわれている。
「人件費削減すると社員のモチベーション下がる」
7日の公聴会ではこんな意見も出た。
「東電を盛り立てて社員の活力を引き出し、『よし、やってやろう』という彼らの力を引き出すことが何により必要だ」(初老の男性)
「現場で働く労働者に同情してほしい。肉体的、精神的に大変。これ以上の人件費削減を求めるのはモチベーションの低下に繋がる」(中年男性)
取材した笠井信輔アナによると、発言したのは元東電社員だという。だいたい、福島第1原発の放射性物質を含んだガレキの中で作業している従業員に、どれだけの東電社員がいるのかも定かでない。下請けや孫請けの作業員がほとんどではないか。笠井が吠えた。
「7日の公聴会は10人だけ。小学校の保護者会でももっと集まりますよ。今週末予定している大宮の公聴会は5人、カラオケに行って歌いましょうという集まりじゃないんですよ」
コラムニストの深澤真紀「原発行政、エネルギー行政のグランドデザインが全くなく、値上げの根拠があいまいで、しかも管内で2か所だけの公聴会では、ハナから納得する人が少ない」
東京電力という会社は、一般消費者、原発被害者をとことんなめきっているということだ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト