米国民の「オバマ離れ」なぜ起きた?保守派「大きな政府嫌い」、低所得層「生活苦しくなった」

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   今秋の米国大統領選挙は、現職のオバマ大統領と共和党候補で「経済通」のミット・ロムニーの事実上の一騎打ちになると見られている。これは「自由か公平か」をめぐるアメリカのチョイスだ――と「クローズアップ現代」は言う。アメリカ建国以来の永遠の議論、小さな政府か大きな政府か、富の配分に政府はどれだけ関与すべきかといったことで、いまアメリカは揺れ動いてるらしいのだ。

「自由と競争」か「公平」か―分裂する国内世論

   経済的自由の徹底推進派だったブッシュ前大統領の後釜として、2008年のリーマン・ショックの直後にさっそうと登場したオバマ。それからというもの、自由勝手気ままなウォールストリート流金融のあり方に国内外の批判が集まったり、昨年(2011年)も格差是正を訴えるウォールストリートデモがあったり、米国で「公平」を求める潮流があるように見えなくもない。そうしたなか、オバマは「大きな政府」的な富の再配分政策をも行ったという。たとえば米国でつねにセンシティブな問題である医療保険制度の拡充なども実現した。

   しかし、就任当初70%近くあったオバマの支持率は40%台に落ち込んでるといい、最近の世論調査では「自由と競争こそがアメリカを強くする」と訴えるロムニーを辛うじて上回っているに過ぎないという。なぜオバマの政策は評価を得られず、人気が落ち込んでしまったのか――。

   回答者の中山俊宏・青山学院大学教授は、「景気刺激対策とか、医療保険制度改革は評価されてもいいはずだが、アメリカの保守派には大きな政府に対する違和感が非常に強く、オバマに対する嫌悪感、反感を強めてしまった」と言う。

   過激な公平政策を実行したため、保守派のオバマ離れを招いたといったことのようだ。おおアメリカ、素晴らしき自由と競争と選択の国。ここでは医療保険なんてものは、個人の自由、自己責任でやればいいことである。なんで他人の保険のためにカネ払うことを強制するのか。やっぱりオバマの正体は「アカ」だった――といったワケだろう。

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