航空会社スカイマークが乗客に示した「機内での苦情は受け付けません。消費生活センターへ連絡を」というサービス方針が論議を呼んでいる。サービス簡素化の内容もさることながら、苦情処理を公共機関へ押し付けるような文面になっていたため、東京都消費生活総合センターが筋違いと抗議し、文書の回収を求めるなど波紋が広がっている。
機内パンフで「サービス不満なら消費生活センターに言ってくれ」
スカイマークが示したサービス方針は、「サービスコンセプト」という文書にまとめられ各座席のポケットに入れられた。内容は「客室乗務員は収納の援助を致しません」「丁寧な言葉遣いを客室乗務員に義務付けておりません」「客室乗務員の私語についての苦情はお受けしかねます」といったもので、この方針に苦情があったり疑問に思ったりしても、「機内での苦情は一切受け付けません。ご不満のあるお客様はスカイマークお客様相談センター、あるいは消費生活センターなどに連絡されますようお願いします」と呼びかけていた。
この文面に東京都が怒った。消費生活総合センターの課長が言う。「少し勘違いされている。スカイマークさんからの連絡相談は一切ありません。誤解を与える文書なのでしっかり回収してもらいたい」。これを受けてスカイマークは文書を回収、新しいものに取りかえるという。
「運賃安いんだからガマンしろ」ということ!?
司会の羽鳥慎一はサービス方針について首をかしげた。「○○しませんということは、どういう意味なんですか」とテレビ朝日デレィクターの玉川徹に聞く。玉川「今までがサービス過剰だったので、欧米並みにしますということを言いたいのかもしれない」
アナウンサーの小松靖が「値段が安いのでいいじゃないかという声もある」と説明すると、司会の赤江珠緒がすぐ反応して「いやあ、サービスは丁寧にやってほしいですよ。荷物は手伝ってもらわないと」。羽鳥も「おじいちゃん、おばあちゃんがねえ」と加勢する。
タレントの松尾貴史「荷物を収納するということは、飛行中の落下防止など安全のためです。こういうことを文書で出すということは、会社の姿勢として何かあっても責任取りませんよ、といっていると受け取られても仕方がない」
羽鳥「仕方ないでしょ、安いんだからといっている感じですね」
玉川「お客さんに乗って欲しいということであれば、絶対逆効果だと思う」
サービスは値段との兼ね合いだが、安全が二の次にされてはかなわない。