「8時またぎ」コーナーのトップは、「今世紀最後の天体ショーを見よう」ということで、太陽と地球の間を金星が横切るのだというアナウンサーの加藤シルビアがフリップで説明するのだが、まあ巨大な太陽の前の金星の小さなこと。いったいどう見えるのか。加藤は「次に見えるのは105年後ということで、このスタジオにいる方には最後になる」と話すが、いやいや、今生きてる人はまず全員見られないでしょうよ。
むなしく響く「今世紀最後の天体ショーです!」
司会のみのもんたは「東日本は生憎のお天気で見ることができない。残念でした」と終わりそうにもっていって、「いやいや、どこまでも見えるところまで行こう。4月から予算が増えた証拠ですよ(笑い)。天体ショーをこれからナマでお見せします」とはしゃぐ。
レポーターの米田やすみが快晴の福岡にいた。福岡市内を一望できる愛宕神社に望遠鏡とパソコンをつないで、映像として見せようというわけだ。太陽の真ん中を豆粒みたいな金星が横切るというのだから、肉眼では目がつぶれる。パソコンのモニターを出して、「黒い点が見えるでしょう」「あるね」「これは太陽の黒点です」「あ、黒点ね。ほかに丸いものが…」「これが金星です」と米田が指したのは、ちょうど太陽の端にかかるところだった。
みの「金星って真ん丸だね」
米田「真ん丸ですね。太陽面にかかったのが7時12分で、いま14分経ったところです。金環日食より迫力がないと思われる人もいるかもしれませんが、金環日食は次が18年後に北海道で見られますが、金星の太陽面通過は105年後まで見られません。みなさんは170歳 を超えます」
金星はこのあとそろそろと太陽面を通過して、終わるのが午後1時47分ころ。日食と違ってのんびりしたもんだ。
一人張り切るレポーター「次は2117年、105年後なんですよ」
みのは「興味あるといえば興味ある(笑い)。ない人にはないんでしょうが……」
というわけで、他のニュースを散々やって約1時間後、「金星はどこまで進んだ?」とまた米田を呼び出した。先ほどよりははっきりとしたようだ。米田は「太陽面を切り抜いたような、不思議な感じ」という。あらためて太陽がいかにデカイかがわかる。金星だって、実際は黒点より小さいんじゃないのかな。あまりに動きが遅いので、映像を早送りで見せたが、1時間かかってもまだほんの端っこだ。
みの「だから何なんだって……」
米田がむきになって「次は2117年 ですから」
馬の耳に念仏なんだから、放っとけ放っとけ。