第2次改造野田内閣の目玉はやはり森本敏防衛相だ。政治家ではなく民間人であることから、与野党から「責任が取れないのではないか」と疑問視する声も出ている。けさ5日(2012年6月)の「モーニングバード!」でもその問題を取り上げた。
「改めて申し上げるまでもなく、安全保障に関するわが国の第1人者の1人です」と野田首相がこう森本を紹介した。民間初の防衛大臣だ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊を経て外務省に在籍し、自公政権では防衛相補佐官を務めた。現在は拓殖大学大学院教授。テレビの討論番組のお馴染の顔で安全保障の論客として知られる。
民間人だから責任取れない?これまで責任とった政治家いるか!
一川保夫、田中直紀と「素人大臣」の問責が続いた後に民間人の森本が就任したことに、石原伸晃自民党幹事長は「民主党内に防衛問題のエキスパートが見つからないということの裏返し」と皮肉った。報道によれば、問責大臣の1人、一川元防衛相までも「民間人はどうか」とコメントしている。
司会の羽鳥慎一が「民間人ということに批判があるようですが」とゲストの政治アナリスト伊藤惇夫に聞く。
伊藤は「前の2人に比べるとかなりましです。それに最高指揮官はあくまで総理大臣で、防衛大臣はその下で動くことになります。また、壊れた日米関係の立て直しにプロフェッショナルが必要だったということもあります」と前向きに評価した。
城西国際大学非常勤講師の宮田佳代子は「民間人だから政治責任が取れない」という議論に疑問をはさむ。「政治家が取る政治家たる責任とは何なのか。これまでそんな責任の取り方を見たことありましたか」とぴしゃり。
月刊『ゲーテ』編集長の舘野晴彦は、今の政治家よりもいいじゃないかといいながら、「沖縄の問題など、政治的な調整力はどうなのか」と危惧していた。
いつでもそうだが、誰から見ても満点という組閣はない。ベテランを据えれば新鮮味がないといわれ、新人を抜擢すれば重責に耐え得るかといわれる。それより、この内閣、いつまでもつのか。