重機置き場の隣に建てられていたトタン屋根の倉庫風住居。1階には脚立や道路工事用の看板などが乱雑に置かれ、人が住んでいるようには見えなかったという。そこに元オウム真理教信者・菊地直子(40)が隠れ住んでいた。張り込んでいた捜査員に「菊地だな」と声をかけられると「はい」と答え、17年間の逃亡生活は終わった。
殺人・殺人未遂どこまで立件できるか
近所の人は「あまり愛想のいい人ではなかった」「いつもうつむいて歩いていた」と話す。ゲストの有田芳生(参議院議員・ジャーナリスト)は「当初の警察の捜査体制は数十人規模だった。それが今は数人となり、コツコツと積み上げてきたものがやっと実ったという感じですね」と語った。コメンテーターの青木理(ジャーナリスト)は「生きていたのかというのが正直な感想。昨年末の平田信逮捕が菊地容疑者に何らかの影響を与えていたのではないだろうか」と話す。
菊地はサリン製造に関わる殺人罪や殺人未遂、都庁の小型爆弾容疑などに問われているが、有田は「彼女がどこまで直接的に関わっていたのかは不明です。組織の小さな歯車として使われていたのかもしれな」と言う。
田中喜代重(弁護士)「検察は何件の罪で立件するのか。殺人未遂罪についても、どこまでを殺人未遂の範囲とするのか。注目されるところですね」
真面目な性格が突然暴走
司会の羽鳥慎一「どうしてここまで暴走してしまったのでしょう」
青木「真面目な性格だったと聞いている。真面目な人が突然暴走するのはオウム真理教に限らず、どこの組織でも起きうること。それが怖い」
菊地は17年間の逃亡生活をどうやって続けることができたのか。逮捕されて職業を聞かれ、「会社員です」と答えたようだが、ということはどこかに勤めているということなのか。生活費はそれで賄えていったのか。現在の旧オウム教団に支援者はいたのか――解明されなければならないことは多い。