「退院勧奨」容赦ない追い出し現場「いま国の制度ではここまでです」

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   病気の親族が入院して、良くもならないのに悪くもなってないからと病院を追い出された――。最近、こんな話をたびたび耳にする気がする。膨れあがる医療費の抑制、ベッド不足の改善、在宅医療・在宅介護推進といったお国の方針により、病院には患者をいつまでもダラダラと病院に居させず、次々と効率的に患者を回転させて儲けることが求められているのである。そのインセンティブとして、診療報酬は患者を長期入院させていると少なくなるという。

82歳患者の家族「介護の人手がない。なるべく長く居させて」

   この日の番組では、国の方針を忠実に実行しているケースとして、横浜市立みなと赤十字病院が取り上げられた。地域医療の中核的な病院であり、年間1万件以上の救急車が到着し、高齢者の患者が次々と運び込まれる。そして、治療が終わったと判断すれば、すみやかに退院させる。「退院勧奨」の現場はじつに生々しい。

   大腸の手術を受けた82歳女性の家族に、看護師らが退院を告げる。女性の娘は不満である。曰く、手術を受ける前は母親は歩けていたのに、いまは歩けない状態である。歩けなくするのが医療なのか。「なるべく長く居させてもらって、少しでも元気に」なって、帰ってほしい。介護するのは自分1人しかいないし、受験期の息子の面倒もある。

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