現役最高齢の映画監督、新藤兼人氏がおととい29日(2012年5月)に老衰のため亡くなった。100歳の誕生日を先月22日に祝ったばかりだった。その誕生会の映像があった。「一枚のハガキ」に主演した大竹しのぶが「ハッピーバースデー」を歌って祝福したが、ケーキのローソクを吹き消した新藤さんは「どうもありがとう、さようなら」といって笑いを誘っていた。
津川雅彦「手握ってくださったのが悲しかった。うれしかった」
生涯に「原爆の子」「午後の遺言状」など約50本の映画を製作。一貫して大きな組織に属さず独立を貫いての結果だ。2002年には文化勲章、最後の作品「一枚のハガキ」(2011年)はブルーリボン賞を授章した。99歳の車イスの新藤監督と7歳の芦田愛菜ちゃんが並んで話題になった。
大竹しのぶは「監督と会えたこと、映画を作ったこと、お話ししたあの豊かな時間。私の宝物です。ありがとう」とメッセージを寄せた。津川雅彦(72)は「手を握ったまま『これが最後かもしれないね』と泣かれてね。ボクの手を握ってくださったのが、なんとも悲しかった。うれしかった」と語った。山田洋次監督(80)は「新藤さんのような人が元気でいてくださるってことは、実はとても大事なこと、ありがたいことなんです。仰ぎ見るような先輩がいなくなるのは本当にさみしい」と話した。
ところが、「スッキリ!!」でこの話題は「通夜は来月2日、告別式は3日に行なわれる」とそれだけでぷっつりと終わってしまった。司会の加藤浩次では無理だろうが、キャスターのテリー伊藤がいて、おおたわ史絵(医師)がいたんだから、もう少し何かコメントしたらどうなのか。日本テレビは新藤監督と縁がなかったのか。