母親が生活保護を受けていたことできのう30日(2012年5月)、 お笑いのキングコング・梶原雄太(31)が会見した。「こういうことでお騒がせして申しわけない。どうして母親の保護ができないんだということだと思うんですが、正直なところホントにギリギリな時があったので」と、むしろ淡々としていた。
梶原はいまテレビのレギュラー3本を持つ売れっ子だが、その母親が生活保護というのは違和感がある。先に、次長課長の河本準一(37) が同じことで謝っているが、これも同じ。いずれも不正受給ではないが、テレビの人気者がなぜ?ということだ。
家は息子が提供、生活費はお国から…許されるか
梶原の母親は弁当屋で働いていたが、骨折して働けなくなり、復帰する時に弁当屋が倒産した。祖母の介護もあって、働けない状況になった。そこで知人を介して福祉事務所に相談したという。受給は昨年3月からで、月に11万6000円。その後、祖母が他界したので、パートを復活して月収が4万円、差し引きで生活保護は月額5万円になっていた。受け取った総額は約140万円という。
梶原は02年に母親にマンションを買っており、そのローンと共益費などが月に約40万円、早めに返済するため返済月額を増やしていた。資産としては梶原のものになる。8月に完済の予定で、そこで保護の受給を打ち切る予定だったという。
梶原は「こういう仕事だと収入に上下があるので、下のときは苦しい時がある」「親族がマンションを担保にカネを借りているという事情もあった」と話している。芸人でなくても、長引く景気低迷で、サラリーマンだって給料カットやボーナスゼロの憂き目にあっている。生活保護は、預貯金がない、親族の支援がない、働くことができないなどの困窮者を救う制度だ。その趣旨からすると、このマンションのあたりはかなり微妙。家は息子が、しかし生活費は国がとなるからだ。
次長課長・河本準一のときと同様…不正受給の一般論にすり替え
経済評論家の荻原博子さんは「ローンの支払額を減らして、その分を母親の扶養に回すことはできたろう。身よりもなく収入もない人を救うのが生活保護の大前提なので、こういうことがあると生活保護に対する目が厳しくなってしまう」 という。法律の専門家は「40万円は母親に渡っているわけではないから不正受給ではない。生活のためには保護が必要という判断も可能になる」という。まさに微妙なところだ。
ところが、司会の加藤浩次は、「梶原は不正ではないんですよね」と断言して、「不正受給が増えている」という話に逃げてしまった。河本の時と同じだ。そんな一般論はどうでもいい。それより、お笑いタレントの実態はどうなんだ。そっちが知りたい。