きのう30日(2012年5月)に行われた野田首相と小沢一郎・元民主党代表の会談は、野田は消費増税法案への協力を要請し、小沢は現段階では賛成できないと物別れで終わった。司会のみのもんたは「野田首相が小沢氏と話し合うのは首相就任以来。でも、いまさら会談したところで折り合わないのは分かっていたはず。なぜ会談に臨んだのでしょうか」と言う。
「反対のための反対」で存在アピール
コメンテーターの北川正恭(早稲田大学大学院教授)は「首相はどれほどの覚悟を持って望んだのか。本来ならば、昨年の段階でやるべきだった。政権交代時のマニフェストが守れないことが明白なのに、国民への謝罪もなく党内融和をはかろうというのは、国民をますます民主党から離れさすことにしかならない」と語った。
小松成美(ノンフィクション作家)は違った見方をした。「きのうの会談後の会見を見ると、小沢さんの言動は反対のための反対としか思えない。首相と対立していることを国民の前で明らかにする狙いがあったような感じがする」
会談時間オーバー、会見…滅多にないことの連続
会談は当初、1時間の予定だったが30分オーバー。この点について金井辰樹(東京新聞政治部次長)の分析はこうだ。
「物別れに終わることは予想されていた。ただ、珍しいことは、小沢氏が1時間半にもおよぶ会談をしたこと。その気になれば10分や15分で席を立てたはず。それと、会談後にみずからテレビカメラの前に立ったこと。これは滅多にないことです。
これまで数の論理で永田町に君臨してきた小沢さんがこのような行動に出たことは、別の見方をすれば、追い詰められている証しです」
野田の腹の内は、自民党と二人三脚で「消費増税法案」の今国会成立だ。小沢との物別れは織り込み済みで、きのうの会談は「党内融和の努力はしました」という演出のためのセレモニーだろう。この次に、問責2大臣のクビを差し出して民自公賛成で法案成立という段取りですすんでいる。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト