地井武男の病気療養でテレビ朝日系「ちい散歩」が終了し、加山雄三の「若大将のゆうゆう散歩」(月~金曜あさ9時55分)に替わって間もなく1か月になるが、どうもしっくりこない。以前の「ちいさな散歩」の雰囲気ではもちろんないし、だからといって「ゆうゆう」でもないからだ。
「身分を隠した遠山の金さんみたいで、どこかこそばゆい」
上智大学の碓井広義教授(文学部)が、東京新聞(2012年5月30日付)の「芸能ワイド」ページで、加山ミスキャストを鋭く突っ込んでいる。
「『大スター』加山雄三さんが散歩というより巡回といった雰囲気で、ずんずん歩き回っている。何を見ても『おい、嘘だろう。すげえなあ、コレ』と歓声をあげているが、身分を隠した遠山の金さんみたいで、どこかこそばゆい。
(略)路地裏に咲く花や見落としがちな看板にを目をとめていた地井さんの、のんびりゆったりした散歩スタイルが懐かしい」
もともと加山は、湘南生まれ湘南育ちの大スターの息子だ。子供のころからクルーザーやスキーにはなじんでいても、下町の路地裏で遊んだことはない。プチ散歩としてはそもそものミスキャストで、そこに加山のヒット曲を流したりするから、まるでプロモーション番組である。地井さん、早く元気になって復帰してくれないかなあ。(テレビウォッチ編集部)