毎年五月下旬のこの時期に、動画サイトのYouTube(ユーチューブ)を賑わすのが、欧州の国対抗の音楽コンテスト「ユーロビジョン・ソングコンテスト」の映像である。セリーヌ・ディオンやアバを輩出したこの伝統ある大会は、日本ではあまりなじみがない。ユーチューブの地域別の再生傾向を見ても、欧(米)が圧倒的に多く、他の地域との落差が目立っている。
国対抗の歌合戦というのは、端から見るとなんだか少々ナンセンスにも思えてしまうが、それも慣れの問題であって、あちらから見たら、たとえば男女対抗の歌合戦なるものは奇異に映るのかもしれない。
スウェーデン女性歌手ロリーンの「ユーフォリア」
今年の大会は、欧州30カ国以上の代表歌手がアゼルバイジャンに集結。優勝したスウェーデンの女性歌手ロリーンの「ユーフォリア」がユーチューブでジャスティン・ビーバー級の再生回数を記録。準決勝の映像が約250万回、同じ曲を歌った決勝の映像http://www.youtube.com/watch?v=Pfo-8z86x80が200万回と、他を大きく引き離した。準決勝のほうが再生数が多いのは公開からの時間の差と思われる。
欧州一の曲――はいったいどんな曲か。もしかしたら、いままでに何度も聞いたことのある使い古された感じのアップテンポなエレクトロニカに聞こえるかもしれないが、動画へのコメント投稿では「すばらしい曲だ。優勝も当然!」「歌もいい、ルックスもいい」「10000000000000000000000000000回以上聞いた人は『サムアップ』して」といったコメントが高く評価されていた。
なお日本ではロシア代表の「ブラノボ村のおばあさんたち」の準優勝http://www.youtube.com/watch?v=i4qmsmzoRBEが話題性の面から、わりと大きく報道されたが、彼女たちのユーロビジョン本選での再生回数は150万回程度であった。
ボンド柳生