東京電力が家庭向け料金の平均10%値上げと合わせて、3年分のボーナスを申請――。これほどわかりやすくワイドショーの琴線に触れるニュースもないだろう。今後の原価計算のなかには、東電社員の今冬のボーナス147億円、来年、再来年は各290億円(夏冬合わせて)、計730億円分がしっかり計上されているそうな。
公的資金融資・国有化―税金で賞与っていうこと!?
東電の主張としては、今夏のボーナスは見送っており、一般社員の給料はすでに20%カットされていることがある。また「電気の安定供給、廃炉などをきちんと進めていく上で、それなりの技術的な人材の確保なども含めて、この人件費水準をぜひお願いしたい」(東電常務)と、電気・原発の安全確保とボーナスの緊密な関係もアピールされている。
スタジオでは、司会の小倉智昭が先陣を切ってまくしたてた。「ボーナスは利益から出るもので、赤字の会社はボーナス出なくて当然。東電は国から1兆円の追加公的資金、つまり国民の税金を受けている。国民は電気代の値上げにも耐えなければいけない。(東電は経営が破綻状態で)ほぼ国営化されているのに、これでは当然批判は出ますよね」
コメンテイター陣2人も「不可能なほどの努力をしてほしい。考えが甘いと思われてもしょうがない」(高木美保・タレント)、「納得できない。とくに今年は我慢しなきゃ、つじつま合わないですよ」(デーブ・スペクターTVプロデューサー)と、憤懣やるかたない様子で続いた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト