おととい26日(2012年5月)、東京電力は事故を起こした福島原発4号機の内部を初めて報道陣に公開した。井上貴博アナは「4号機は流入してきた海水によって、昨年の3月15日に水素爆発を起こしました。そして、現在も原子炉の中には1535本の燃料棒が燃料プールの中に入ったままで、その重量は1670トン。プール底部を支える鉄筋コンクリートが設置された2階では、今でも毎時500マイクロシーベルトの線量が計測されています」と解説する。
むき出しになったら首都圏が壊滅するというほどの燃料棒が、いつ建屋が倒壊するか分からない状態で野ざらしになっているのだ。
地震、台風、竜巻で崩壊・飛散の恐怖
元東芝の原子炉格納容器設計者で工学博士元の設計者・後藤政志は、「政府と東電はプールの水を水位計で測り、水位はどこも同じだったから建屋は傾いてないとし、シートで使用済み燃料プールを被っているだけです。いわば剥き出しの状態。地震や台風、竜巻などの自然災害に襲われたらどこまでガードできるのか、はなはだ疑問です」という。
井上「東電サイドは高さ8メートルの防波壁を作ったので大丈夫と説明しています」
司会のみのもんた「でも、去年の3月11日に押し寄せた津波は高さが13メートルといわれています。高さが足りないでしょう」
コメンテーターの八塩圭子(学習院大学特別客員教授)は「燃料プールをたった1枚のシートで覆っているなんて…。こうした現状を放置したまま、原発再稼働を議論するなんて認められない」と批判する。
井上「政府と東電は来年から4号機の燃料棒を取り出すとしていますが、どうやって取り出すのか。取り出した燃料棒をどう処理するのかなどはまったく決まっていません」
新潟県南魚沼市のトンネル事故ではただちに建設会社に捜索が入ったが、福島原発事故ではそうした動きは聞かない。