<ファミリー・ツリー> ハワイ・オアフ島の弁護士マット・キング(ジョージ・クルーニー)は妻と2人の娘を持ち、堅実な人生を送っていた。しかしある日、妻がボート事故に遭いこん睡状態に陥ってしまう。いままで家庭はすべて妻任せだったため、反抗期の娘たちとどう接すればいいのかわからない。さらに、長女の告白で、妻には恋人がいて自分と離婚を考えていたことを知り愕然とする。
不思議に似合う「ハワイの残念なオッサンぶり」
今年のアカデミー賞で脚色賞を受賞した話題作である。クルーニーの役どころは、生意気な娘たちに振り回され、妻の浮気に動揺して重たい体をひきずるようにドタドタ走りで近所を駆け巡る。浮気相手をつきとめるためにストーカーまがいの行為もいとわないという、ハリウッド一のモテ男のクールなどかけらもないただの残念なハワイのオッサンである。でも、これが不思議とピタッとはまっている。原作者のカウイ・ハート・ヘミングスは、アレクサンダー・ペイン監督から主人公のイメージを尋ねられた時に、「ジョージ・クルーニー」と即答したそうで、そのチョイスはドンピシャだったと言える。