河本準一「生活保護疑惑」心配な行き過ぎ摘発で「偏見・差別」助長
年収5000万円も稼ぐお笑い芸人「次長課長」の河本準一の母親が生活保護を受けていたことで、こんなことが許されるのかと現代、ポストが噛みついている。河本が売れない芸人だったときに申請して受給が認められたのだから、なんで止めさせられなければいけないのかと息巻く河本の身内側の反論で、さらに河本バッシングは激しくなり、母親は受給するのを止めたようである。
このケースの場合は、息子が5000万円も稼いでいるのだから貧しい親を扶養するのは当然だと思わざるをえない。だが、現代の書いているように、生活保護というのは「保護してもらわなければ最低限度の暮らしも送れない、下手をしたら死んでしまう人だけに適用される、国家としての最後のセイフティネット」なのだが、そうなると昔のように、生活保護受給者=社会の最下層の人間という「偏見」や「差別」を助長し、もらいたくても世間の目が嫌でもらわずに我慢したための悲劇が、これから多くなりはしないかと心配になる。
生活保護で国に養ってもらっているのだから、クーラーなどもってのほかという隣近所の白い目を気にして、猛暑の中、脱水症状で死んでしまった老人が多くいたことを忘れてはいけないはずである。不正受給を摘発することに熱心なあまり、「健康で文化的な生活」をする権利までも奪ってはいけないこと、いうまでもない。
新潮にこんな記事がある。反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠が、このところ頻繁に大阪通いしているというのだ。湯浅はこれまでも、橋下徹大阪市長の政策を推し進めたら8割9割の人たちは切り捨てられると批判している。
「これまでに、反橋下陣営のほとんどの人たちとは会っているはず。7月頃から本格的に"反橋下"の活動を始め、11月上旬には集会などを連続で催して、大々的な反橋下キャンペーンを行う予定だそうです」(市政関係者)
湯浅の活動の一つが、ホームレスや貧困のために飢えている若者に生活保護を申請・受給させる運動だった。私は、湯浅は近年希に見るいい意味でのアジテーターだと思っている。彼ならばハシズムに対抗できると密かに期待しているのだが。